ユーロ/円相場は、9月19日の1ユーロ=134.95円をピークに、131円台前半まで軟化し、9月9日以来の安値を更新している。特にユーロサイドには目立ったネガティブ材料は見当たらないものの、米予算協議を巡る混乱状況を背景にドル/円相場が軟化する中、この動きにつられる形でユーロ/円相場も地合を悪化させている。対ドルではややユーロ高圧力が強くなっているが、円高圧力の方が優勢になっている。
イタリアの政局不安が持ち上がる場面も見られたが、欧州債市場は総じて安定しており、ユーロ圏の債務問題を蒸し返す動きが拡大するリスクは限定されている。イタリアでは10月2日に現政権に対する信認投票が行われているが、賛成多数となったことで、政治的な混乱がイタリアの財政再建を阻害する最悪のシナリオは回避される方向に動いている。一方、欧州中央銀行(ECB)理事会後には、ドラギ総裁がユーロ相場は政策目標ではないと指摘したことも、ユーロに対してはポジティブになる。10日にはECB月報の公表が予定されているが、全般的にサプライズ的な内容は想定されておらず、ユーロサイドからユーロ/円を下押しする動きは限定されよう。
ただ、相場の主導権を握っているのは米予算協議であり、この問題が収束するまでは、ユーロ/円相場の下値不安が払拭できない。債務上限の引き上げ期限も迫る中、議会が暫定予算と連邦債務上限の引き上げで合意できなければ、ユーロ/円相場はじり安傾向が維持されよう。あくまでも一時的な押し目形成期と評価しているが、引き続き米国がデフォルト回避に向けて進展を見せることができるかが焦点になる。
テクニカルでは、一目均衡表の基準線(132.43円)を下抜き、次の支持線は雲上限の130.54円、その下は130.00円の節目を経て雲下限の129.66円になる。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から4勝8敗に。14日RSIは63.49。